こんにちは!
榎本澄雄です。
6月21日、火曜日。
夏至になりました。
6月10日に開催した『中国の行動原理』読書会レポートをお届けします。
上海封鎖後の市場潮流を読みたいあなたと
日中国交正常化50周年記念『中国の行動原理』読書会
【注目の書籍】
『中国の行動原理 国内潮流が決める国際関係』益尾知佐子=著 (中央公論新社)
※2019年11月初版ですが、最近の国際情勢を反映して都内の大規模書店でも再び、注目されています。
【web中公新書】
『中国の行動原理』/益尾知佐子インタビュー
今すぐこちらから、ご覧いただけます。
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https://www.chuko.co.jp/shinsho/portal/114077.html
2022年6月10日(金) 19:00-21:00
東京都練馬区練馬1丁目17番1号 練馬駅前 Coconeri(ココネリ) 3階
練馬区立区民・産業プラザ 「研修室2」(TEL : 03-3992-5335)
Coconeri(ココネリ)は、練馬区内の産業振興と文化交流、地域のコミュニティ活動を推進する複合施設です。コーヒーショップや薬局、スーパー、洋服屋さんが揃っています。
【ハイフレックスな参加方法】
ハイブリッド・フレキシブル形式で、
会場とオンラインを同時に進行するハイフレックス読書会です。
・会場参加 練馬駅前 Coconeri(ココネリ) 3階 練馬区立区民・産業プラザ 「研修室2」
・オンライン参加 zoom
※オンライン参加のミーティングIDは、参加費用お支払い確認後にお知らせいたします。
ハイフレックスとは、Hybrid-Flexibleの略。
対面と同時にオンラインで実施する教育形態。
Beatty, B.J.(ed), Hybrid-Flexible Course Design: Implementing Student-directed Hybrid Classes, EdTech Books 2019.
本来は有線LAN推奨ですが、会場の環境によりWi-Fi利用です。
通信状況によって時間や進行が前後する可能性がありますので、ご了承ください。
【ハイフレックスな参加費用】
お支払い方法: PayPal/当日現金払い/銀行振込
・会場参加(税込) 1,000円
・オンライン参加(税込) 1,000円
オンラインでお一人、
会場に三人のご参加でした。
「アラウンドテーブル」読書法で、
参加者の方々が選んだ各章を読み解き内容をシェアしました。
第1章 現代中国の世界観--強調され続ける脅威
1 中華帝国の喪失感--あるべき中国の姿
2 強烈なリアリズム--被害者意識と陰謀論
3 中国共産党の組織慣習--崇高な任務のために
4 彼らがめざす平和とは--消えない不安感
- 中国人の不満は、主権平等を掲げた欧米列強(さらには日本)が、アジア人であった中国を不平等に扱って侵略し、中国人に「百年の国恥」を舐めさせた、という点に集中
- 中国のすべての陸上国境問題を検討したMITのテイラー・フレイヴェルによれば、中国はこれまでの交渉のなかで、係争地域の半分以上の面積を相手方に譲り、清王朝の最大版図のうち340平方キロメートルを放棄(これはインドの面積を上回る)
- 中華帝国の歴史から道徳的な優位性や文化の力によって世界からリスペクトされたいという願望が強いので、中国人にとって、自国が他国に内政干渉したり、武力で言うことを聞かせたと考えることは不快
第1章の担当者から
益尾知佐子先生へメッセージ
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まだ読書会で担当した第一章しか読んでいませんが、それだけでも自分が中国に関心がありながらも、いかに偏った見方をしているかということに気付かせていただきました。ありがとうございます。
国交正常化50周年という佳節でもありますので、益尾さんの著書との出会いをきっかけに、大切な隣人であり(実際にシェアハウスの隣の部屋に中国人の青年が住んでいます笑)、歴史的には文化の大恩人である中国への正しい理解を深め、この先50年、100年先の日中関係のあり方を展望し、自分に何ができるかを考えて実行に移していきたいと思います。
第4章 政経分離というキメラ--鄧小平から習近平へ
1 統治の鄧小平方式--党の危機と市場経済導入
2 改革開放以降の国内競争
3 中国社会の暗黙の理解
4 江沢民・胡錦濤・習近平--変わる凝集力
- 先進国がグローバル化から保守化へ進むなか、中国は経済グローバル化を進める
- 市場経済導入は、壊滅的な状態にあった人民の党への支持を回復するため
- 人々に中国共産党への「父殺し」を発動させないための究極の策
第4章の担当者から
益尾知佐子先生へメッセージ
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中国について客観的に見ることができました。中国が行っている行為は、中華思想というより他国にリスペクトしてほしいという理由のためだとわかりました。これから中国の影響力が大きくなるので色々理解できてよかったです。
第6章 海洋問題はなぜ噴出したか--国家海洋局の盛衰
1 国家海洋局の意欲--権益拡大のために
2 反日ナショナリズムの追い風--係争海域への力の行使
3 国家戦略の中心から解体へ--中国海警局の新設と召し上げ
4 国内政治から見た海洋問題
- 国家海洋局は中国のナショナリズム、特に反日感情を巧みに利用し、積極的に党中央の対日政策のツールとなることで、政治的な地位を急上昇させたので、2007年頃から中国の海をめぐって緊張が高まった
- 中国海監総隊は、九州南西海域工作船事件(北朝鮮の工作船が海上保安庁の追尾を受けて銃撃戦ののちに自爆自沈)をきっかけに「日本が外国船に対して戦後初めて気が狂ったように武力を使い」、「日本が中国の海洋権益を激しく侵犯した」事例として指導部に訴えた
- 引き締め措置(2018年、中国海警局の初代局長が収賄容疑で中国共産党を除名、公職追放)で、近隣国にとって中国の海上行動の予測不能性は低下した
終章 習近平とその後の中国
- 国際社会で対立を避けるために全力で外交努力を尽くすと見られる
- 多様性に富み、活力と創造性に溢れた人々からなる巨大中国を統治し続けるのは、いかなる個人や組織にとっても容易ではない
- 「ポスト習近平」問題は、中国社会にとってきわめて大きなチャレンジであり、国際秩序のあり方を左右する重要な変数
終章の担当者から
益尾知佐子先生へメッセージ
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伝統的な家族観など、中国の行動原理を理解するうえでとても参考になりました。思想的な偏りもなく、中立的な視点で書かれていたのも好印象でした。終章のポスト習近平の世界の続きが、個人的には気になりました。
読書会の主催者から
益尾知佐子先生へメッセージ
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北京で出会った友達として、
「あとがき」に益尾さんのお人柄がいちばん良く表れていると思いました。
あとがき
もう大昔のことだが、私は小学1年生の6月に福岡市内で最初の転校をした。新しい学校ではすぐに友達ができた。放課後に時間があると、私は坂を下ってその子のマンションの下に行き、声を張り上げて名前を呼んで、「あっそびましょー」と誘い出した。
2年生になったある日、担任の先生が彼女についてこう告げた。「ユン・サイエンちゃんは韓国の人なので、もうすぐ韓国に帰ることになりました」。そして世界地図をみせて、韓国はここです、と言った。その後先生は、世界地図を教室の後ろに貼り直した。
このとき、私は仰天していた。外国の存在は知っていたが、友達の「さいえんちゃん」が外国人だなんて考えたこともない。
あとがきには、
博多、天草、朝鮮、満州のおじいさま、おばあさまのエピソードから
東京大学、ハーバード大学、北京大学のご自身のエピソード、天草の血を引く娘さんのエピソードまで語られています。
またみんなで「あっそびましょー」(笑)!
皆さんもぜひ、本屋さんで手に取ってご覧ください。
『中国の行動原理 国内潮流が決める国際関係』益尾知佐子=著 (中央公論新社)
【web中公新書】
『中国の行動原理』/益尾知佐子インタビュー
今すぐこちらから、ご覧いただけます。
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https://www.chuko.co.jp/shinsho/portal/114077.html
P.S.
2019年11月初版ですが、
最近の国際情勢を反映して、
都内の大規模書店でも再び、注目されています。
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ジュンク堂 渋谷店(2022年6月5日)
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ジュンク堂 池袋本店(2022年6月11日)
【web中公新書】
『中国の行動原理』/益尾知佐子インタビュー
今すぐこちらから、ご覧いただけます。
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