こんにちは!
榎本澄雄です。
12月7日、土曜日。
今日は二十四節気の「大雪」です。
2020年2月28日から
2020年7月27日まで
私がリスク対策.comに
連載していた記事を紹介します。
私はリスク対策.comから撤退し、
過去の記事を削除してもらったので、
現在は閲覧ができない状態となっています。
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2020年3月23日 リスク対策.com
『元刑事も夢中になる防災訓練のゲーミフィケーション』
あなたの「協力者」は誰ですか?
第2回 訓練前にヒアリングしましょう!
第1回の記事はこちらです。
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遊んで生きる
元刑事が作った有事即応訓練 第2回 ヒアリング
リスク対策.comをご覧の皆さん、こんにちは!
元刑事の榎本澄雄です。
『元刑事も夢中になる防災訓練のゲーミフィケーション』へ、ようこそ。
この連載では「モチベーションが上がりづらく、成果が見えづらい」防災訓練を、「夢中になって参加し、行動が変化する」防災訓練へゲーム化するプロセスを解説します。
前回は、アイスブレイクについてお話ししましたね。
【前回の振り返り】
□ アイスブレイクは、氷のように強張った心や身体の「殻」を砕いて、緊張をほぐすイントロ。
□ アイスブレイクのメリットは、参加者の嫌悪感を和らげて、「自発的な参加」を促すこと。
□ 簡単なアイスブレイクは、ネームキャッチボール(名前を呼んで、柔らかいボールを回す)、Good & New(24時間以内に起こった「良かったこと」か「新しかったこと」を一人ずつ話して、拍手)、ペリフェラル(音楽、空調、香り、映像などリラックスできる環境を事前に作る)など。
※詳しくは、「第1回 アイスブレイクから始めましょう!」をご覧ください。
今回も、皆さんに1つ質問させてください。
【最初の問い】
あなたの「協力者」は誰ですか?
会社の上司?
仲の良い同期?
あるいは、皆さんのご家族が真の協力者かもしれませんね。
この連載をご覧のあなたは、防災訓練の担当者さんや、企業のマネージャーさん、経営者の皆さんではないかと思います。そのような皆さんにとっても、防災訓練を実施することは嫌だったり、面倒だったりしないでしょうか?
心の底では、防災訓練、災害時の危機管理とは、「なくてはならないもの」、企業と個人の「生存にとって不可欠なもの」とわかっていても、実際に行動するのはなかなか腰が重いかもしれません……。
そこで、私がおすすめしたいのが、あなたの「協力者」を見つけることです。防災訓練の時だけでなく、実際に災害が発生した時も「協力者とのパートナーシップ」が重要な鍵となります。
訓練前にヒアリングする必要なんてあるの?
防災訓練の参加であっても「押し売りはNG」だと、私は思います。私たちが目指す「ゲームのように夢中になって参加してくれる防災訓練」にならないからです。
参加者の緊張をほぐして(アイスブレイク)、困りごとを理解して(ヒアリング)、それに対して役に立つ情報や刺激的なメリットを提供して、参加者の行動を後押しするから、夢中になって参加してくれるのだと思うのです。
では、どんな風にヒアリングしたら良いでしょうか?私の意見では、アンケートでたくさんの人に聞くよりも、何人かの協力してくれそうな人たちに当たりをつけて、「生の声」を直接、聞いた方が良いと思います。
なぜか?ヒアリングの目的がデータ収集ではなく、「協力者の獲得」だからです。それに加えて、人は記録に残る紙の上に、なかなか本音を書きづらいものです。
防災訓練の参加者は、何に期待しているのか?何に期待してないか?訓練参加者のメリット、ベネフィットは?うちの会社の防災訓練は、何が本当の課題なのか?
このような内容が聞き出せれば、どんな防災訓練が望ましいのかイメージが湧いてくるのではないでしょうか?
ヒアリングの場所は、エレベーターでも、会議室でも、食堂でも、居酒屋でも構いません。防災訓練や災害、事件、事故について思うことを聞いてみてください。その時、ついうっかり防災訓練とは関係なさそうな本音をポロっと言ってもらえれば、しめたものです。
このように事前に協力者を募ってヒアリングして行く手法は、コミュニティ・デザインの現場でも用いられています。ヒアリングの際は前回のアイスブレイク(興奮の沈静化)の考え方を忘れずに取り入れてみてくださいね。
協力してくれない?ガーディアン(門番)を突破せよ!
ゲームの話題をしてみたいと思います。あなたにとって「協力者」とは、普段から仲が良い人は限りません。ゲームや物語には、よくガーディアン(門番)と呼ばれる人物が登場します。一見、敵対関係にある人、厳しい人、苦手な人が実は、あなたの覚悟や資質を試すガーディアン(門番)の可能性もあるのです。
あなたがその苦手な人物を攻撃せず、しかし逃げ出さず、勇気と知恵を持って、懐に飛び込んだ時に、初めてその「門」は開き、最も力強い「協力者」となるでしょう。災害発生という非常事態には、本当にそういうガーディアン(門番)と遭遇する確率も高いかもしれませんね。
ヒアリングの要点は?
ヒアリングの要点は、「困りごと」を聞き出すことです。「困りごと」をブレイクダウンして行くと、防災訓練や会社の仕事に限らず、プライベートの話題になることもあるでしょう。
ヒアリングの話題がいったん防災訓練から離れてしまっても、大丈夫。その人の「真の欲求」や「心の声」、「人情の機微」を探ることが、協力者を獲得する(門を開く)鍵となります。
ヒアリングとは、「感情の理解」
前回の記事では、「人質立てこもり事件の説得交渉術」において最初に通過しなければならない第一関門が「興奮の沈静化」だとお話ししましたね。第二の関門は「感情の理解」です。
FBIやCIAなど政府機関の感情表現アドバイザーを務め、20世紀でもっとも影響力のある心理学者の一人にあげられるポール・エクマンは「感情は空腹、性欲、生存本能にも打ち勝つ。感情は人生の質を決める」と言っています。
相手の感情がよくわからない時にはどうしたら良いでしょうか?「声なきに聞き、形なきに見る」が如く、非言語の情報に着目してみてください。わかりやすく言うと、「表情」は読んで字のとおり、感情を表しています。
熟練の警察官は、職務質問や取調べの際に、質問に対する言語的な「回答」ではなく、質問に対する身体的な「反応」を見ています。微細な表情、声のトーン、沈黙や相槌などの間、目線、手足の動き、心の距離の食いつきと離れなど。
相手の感情を知るためには、自分の感情を知ることも大切です。その上で、相手と感情の波長をシンクロさせて行きます。一方で、他者に同調しやすい感受性が強い方は、「感情の理解」が同意や同情とは異なることを覚えておいてください。
「生命・身体・財産」を護る
昨今は、感染症の問題で国家や企業の危機管理について、国民の誰もが深く考えざるを得ない情勢です。事業の縮小や転換、働き方や生き方自体を変更しなければならない方もいらしゃるかもしれません。
また、過去の震災に関する事件報道を見ますと、被災地で窃盗や性犯罪など卑劣な犯罪が発生しているのも事実です。皆さんは、防災訓練の担当者、マネージャー、経営者として、ご自分の部下や仲間、大切な家族が被害に遭うのを見たいでしょうか?決して、そんなはずはありません。企業と個人の「生命・身体・財産」を護るのは、あなたの手と眼にかかっています。
防災訓練は、「余裕があったらできたら良いな」という贅沢品ではありません。それがないと「生存が脅かされる」なくてはならない必需品です。
防災訓練のように、みんなで体を動かして、何か一つの作業を共同で行うことは、企業内のコミュニティ形成に貢献します。防災訓練に夢中になって参加した仲間が、災害時のコミュニティ・リーダーとして地域や家庭で活躍できるよう、驚くような体験をプレゼントしましょう。
【最後の問い】
□ 「協力者」を見つけるために、どんな場を設けますか?
□ その「協力者」のどのような感情にフォーカスしますか?
□ あなた自身は、仕事やプライベートで、どんな怒り、悲しみ、痛みを感じていますか?
【簡単なヒアリングの例】
□ 「うちの会社の防災訓練って、実際どう思いますか?」
□ 「防災訓練にどんなメリットがあれば、もっと参加してみたいと思いますか?」
□ 「これまでに(ご本人でもご家族でも)災害や事件、事故の体験ってありましたか?」
※言葉だけを受け取るのではなく、その人の「感情」に注目してみましょう。
【今回のまとめ】
訓練前のヒアリングは、防災訓練や災害時の「協力者」を探し出すのに有効です。
非常時の「協力者」は、日常の仕事でもきっと心強い「パートナー」になってくれますから、今すぐ、話しかけてみましょう。
遊んで生きる
元刑事が作った有事即応訓練 第2回 ヒアリング
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